離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活


「昌也くんが、『俺に認めてもらいたかったら勝負しろ』とね」
「スカッシュで……?」


昌也は現役の選手だし、千景も経験者だ。
でもまさか、昌也がそんな戦いを千景に挑むとは思いもしなかった。


「どちらが勝ったんですか?」


千景をここへ運んできた昌也の様子から考えると、和解したようには見えるけれど……。


「俺が負けると思う?」


不満そうに眉根を寄せ、百々花を引き寄せた。首筋に顔を埋め、そこにキスをする。かすかにシャンプーが香った。
唇が意味ありげに首筋を這い、くすぐったさに身体をよじる。


「ケ、ケガは大丈夫なんですか?」
「少し捻っただけだから心配いらない。」


千景の吐息がかかるから、余計にこそばゆい。
千景によると、スポーツクラブでシャワーを浴びてから階下のクリニックで手当てをしてもらったという。
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