離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活
「親戚の手前もあるから、できるだけ早く式の準備をしなさい」
「お義父様もご出席してくださるんですか?」
「父親の私が出なくてどうする」
千景と顔を見合わせ、百々花はパッと顔を輝かせた。
「ありがとうございます!」
「父さん、ありがとう」
おそらく千景が、〝百々花が手掛けた庭をひと目だけでも見てほしい〟と弘和を説得してくれたのだろう。これまで頑なに拒絶してきた弘和の心を溶かすのは、やはり息子の存在なのだ。それと、亡くなった妻の面影も大きいのかもしれない。
百々花と千景が見つめ合うそばで、愛華が「おめでとう」と祝ったのだった。