離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活
「きれいすぎて直視できない」
それは百々花も同じだ。いつにも増して美しい千景は、百々花の心臓を撃ち抜くほどの威力を秘めている。
「このまま俺の腕に中に閉じ込めておきたいよ」
「……私も千景さんの腕の中にずっといたい」
それより幸せなことはきっとないだろう。
感じたままを口にすると、千景はふっと笑って百々花のこめかみにキスを落とした。
そこから頬を伝い、そっと唇に触れては離れる。吐息を感じる距離で千景が小さく囁く。
「愛してる」
甘い声が百々花の耳を優しくくすぐった。
その特別な言葉は百々花だけのもの。突然、空から落ちてきたように舞い込んだ結婚が、百々花に途方もない幸せをもたらした。
この愛は絶対に手放さない。
永遠に千景と。
そう願い、誓う百々花だった。
END