離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活

「お約束はございますか?」
「ないのですが、もしもお時間があれば少しだけでもお会いできないかと思いまして……」
「大変申し訳ありませんが、流川は本日出張に出ておりまして戻りは明日になります」


女性は冷静にそう答え、丁寧に頭を下げた。
いないのならば仕方がない。


「では、お手数をおかけして申し訳ありませんが、こちらを流川社長にお渡し願えませんでしょうか?」


百々花が持参してきた小さなアレンジメントを受付カウンターに置くと、女性は「承知いたしました」と目礼をした。


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