離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活

吉永が顎に手を添え、宙に目線を彷徨わせる。


「ここ二週間くらいあげてないかな」
「えっ、二週間ですか?」


つい声のトーンが上がった。
二週間前といったら、百々花がメンテナンスで来店したときに水やりをしたのが最後になる。


「オリーブは乾燥に耐性があるって聞いていたので……」


百々花の驚きぶりに不安を覚えたか、吉永がポツポツと自信なさげに答えた。


「乾燥に耐性のある植物ではあるんですが、水も大好きなんです」
「そうなんですか」
「乾燥させたほうがいいと勘違いされて、枯らせてしまう方が多いのですが、その情報はお忘れください」


もしかしたら、葉が落ちた要因はほかにもあるのかもしれないが、ここは風通しもいいので様子見をしたほうがよさそうだ。


「今の時期ですと、午前中のうちに一度水やりをしてあげてください」
「どのくらいの量ですか?」

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