離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活
最もこだわった部分だったため、千景から褒められるのはかなりうれしい。
場をわきまえずに喜んだ百々花を見て、千景がわずかに微笑む。威圧感が瞬間的に消えた。
「ひとまず車に戻ろう」
千景に促され、百々花も後に続いた。
「それで、話っていうのは……?」
車に乗せられる前に、千景はたしか『話をしたい』と言っていたけれど。
「明確な話があるわけじゃない。百々花さんと少し話せればと思ったんだ」
「えっ……」
話したかったってこと? でも、それはどういう意味……?
思わせぶりな言葉に戸惑っているうちに、千景は会話をサラッと切り替える。
「ところでさっき、ブライダル系の仕事をできればと言っていたのは本気?」
その転換ぶりに追いつけず、すぐに答えられない。