離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活
鋭くも魅惑的な瞳に真っすぐ射抜かれ、一瞬心臓が止まりかけた。おかげで、返事が喉のずっと奥に隠れて出てこない。
「百々花さん?」
いつまでも押し黙る百々花を千景が怪訝そうに見つめる。その瞳にほんの少しの戸惑いが見てとれた。
「ありがとうございます!」
隠れていた分勢いよく飛び出した言葉を聞き、千景が目を丸くする。そして次の瞬間には、優しく細められた。
鋭さが影をひそめた笑みに鼓動がドクンと跳ねる。
「よかった。それじゃ、詳細な打ち合わせは後日で」
「はい! どうぞよろしくお願いいたします!」
元気よく打つ心拍に乗せて、百々花は意気盛んに返した。