離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活

初めてできた彼氏もファーストキスも、ついでに振られた原因が百々花の堅すぎる貞操観念だというのも、愛華には筒抜けである。

挨拶もそこそこに、百々花はジンリッキーを、愛華はキールを注文し、スナック系のおつまみもお願いする。
ほどなくして出されたカクテルで、まずは乾杯だ。


「百々花の躍進にカンパーイ」


愛華が愛らしく微笑みながらグラスを傾ける。チンと合わせる真似だけをして、揃って口をつけた。


「それにしても、百々花がシュプリームウエディングの仕事をゲットするとはねー。ほんとにすごいわ。ウエディング業界では、今や飛ぶ鳥落とす勢いの会社だよ」


愛華は中堅の出版社に勤務している。担当が社会経済系の雑誌のため、企業の動向にはとても詳しい。
メイクする時間があるなら寝ていたいという彼女は、目鼻立ちのはっきりとした顔立ちをしているためノーメイクでも美人だ。
さばけた性格のため高校のときから男女問わずに人気があったが、大学時代から付き合っている彼氏がいる。
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