離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活

「そうだよね。私もびっくり」
「どうしてそんなラッキーなことになったの?」


百々花の勤めるアリアシェリーも花屋では比較的大きな部類に入るだろうが、ブライダル業界に関わるのは初。百々花は大きな期待を背負っている。

スニーカーを忘れたところから経緯を話し終えると、愛華は驚いたように千景と同じフレーズを使った。


「百々花はシンデレラなの?」
「舞い込んだのは恋じゃなく仕事だけどね」


それでも幸運には違いない。


「いやだけど、わからないよー? あそこの社長、かなりの男前じゃなかった? 百々花もドキッとしたんじゃない?」
「まぁ、それはそうだったけど……」


百々花がドキッとしたところで、千景と恋に発展する気配はまったくない。というよりも、そんなものが今後存在する可能性はないだろう。
そもそも、有名な社長でイケメンとくれば、すでに誰かのものだ。彼女がいないわけがない。


「百々花もそろそろ彼氏作らないと。あの家、いつまでも出られないよ?」
「それは言わないでー」
< 49 / 301 >

この作品をシェア

pagetop