離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活
離婚前提の婚姻


千景がウエディング業界に興味をもったのは、小学三年生にまで遡る。
今は亡き母の歳の離れた妹の挙式に参列したのがきっかけだ。

新郎新婦のとびきり幸せそうな顔はもちろん、参列者の誰もが笑顔に溢れ、まさに人生の一大イベントをみんなで共有していた。
そこにいる人たち全員を最高にハッピーな気持ちにさせる結婚式。千景は、それをプロデュースする側になってみたいと子どもながらに感じたのだ。

もともと人を驚かせたり喜ばせたりするのが好きな千景は、母親にこっそり手紙をしたためたり、かわいらしいイタズラを仕掛けてはびっくりさせたものだった。その延長上に今の仕事があるといってもいい。

日本を代表するような企業をクライアントとし、会計事務所を構えている父の弘和(ひろかず)は当然ながら後継ぎにと考えていたが、千景はその期待を見事に裏切った。

大学で経営学を学んだ千景は、卒業してから大手のブライダルプロデュース会社で四年間勤めた後、満を持して独立。今では都内に十の支店をもつ。
昨年はシュプリームウエディング初のチャペル『Brilliant(ブリリアント) Wedding(ウエディング)』を建築し、つい先日も三つ目が完成したところである。

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