離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活

「百々花が?」
「うん」
「誰と」
「えーっと、仕事関係の人っていうのかな」


正確に言えば、これから仕事の関わりを持つ人というのか。
昌也は呆然と突っ立ち、放心状態になってしまった。それも無理はないだろう。恋人の存在もなかった義理の姉が、いきなり結婚すると言いだしているのだから。


「本当に結婚したのか」


利一が念押しして尋ねる。その隣では真奈加が、顎を引き真剣な目で百々花を見つめている。


「うん。突然だし、事後報告でごめんね」


なにしろ一夜のうちに結婚となったのだから、事前には無理な話だけれど。


「まったく親にひと言もなしに結婚なんて」
「まぁまぁ利一さん。百々花さんが選んだ相手なんですから、絶対に大丈夫ですよ」


真奈加が複雑な表情を浮かべる利一を宥める。
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