離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活

「それで百々花さん、お相手にはいつ会わせてくれるの？」
「都合がつけば、すぐにでも」


千景とはそこまで詳しくは話を詰めていないが、なるべく早く会ってもらったほうがよさそうだ。


「お式は？」
「あぁ……そういったのは全然決まっていなくて……」


離婚前提だから、きっと式は挙げないだろう。千景も百々花も、結婚という既成事実がほしいだけ。婚姻関係さえあれば、お互いに満足だから。


「ともかく、その相手とやらを見てみないことにはなんとも言えないな」
「利一さん、そんなふうに言わないで。百々花さんがかわいそうじゃない」
「そうはいうが、一生が決まる大切な結婚なんだぞ？」
「百々花さんだって、そんなのわかっているわよ」


ね？とばかりに真奈加から目線を投げかけられ、慌ててうんうんとうなずく。真相は絶対に話せない。後戻りもできないと考えると、別の意味で背筋が伸びる思いだった。