離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活

◇◇◇◇◇

翌日、アリアシェリーの閉店間際。百々花がスタンド看板をしまおうと店の外に出たときだった。


「すみません。もう閉店ですか?」


女の子が遠慮がちに声をかける。


「いえ、まだ平気ですよ。……あれ? この前の」


顔を上げて、ふと気づいた。


「はい! 先日はありがとうございました」


体調を崩した母親に花を買っていった女子高生だ。


「母、とても喜んでくれました」


彼女がこぼれそうなほどの笑みを浮かべる。


「それはよかったです」
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