死者の言葉〜最期のメッセージ〜



大河は藍の家の前で如月刑事を待っていた。藍のことが心配で、どうしたらいいかわからなくなる。

「医大生!!」

藍の家のドアの前でウロウロしていた大河は、如月刑事に声をかけられ、強く肩を掴まれる。

「どういうことだ!?藍がいなくなったのか!?」

「それはわかりませんけど、誰の電話にも出ないんです。でも、霧島さんの意思で急にどこかへ行くなんて考えられません!」

藍はいつだって、亡くなった方と向き合ってきた。監察医という仕事に誇りを持って生きていた。近くでそれを大河はずっと感じている。だから、藍が何かの事件に巻き込まれたかもしれないという不安が強いのだ。

「俺もここに来る前に何度も電話をしたが通じなかった……」

如月刑事はそう言い、藍の家のドアノブに手を触れる。鍵がしっかりとかかっていた。

「このアパートの大家はいるか?」

「はい。二階にいるそうです」

「少し行ってくる」

大河を残し、如月刑事は二階へと上がっていく。そして数分後、鍵を片手に戻ってきた。
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