死者の言葉〜最期のメッセージ〜

大河や如月刑事、朝子や聖、そして原刑事や正人の顔が次々に浮かんでいく。もう会えないと思うとすぐにこんな悪夢が終わってほしいと思った。しかし、無情にも睦月圭はナイフを振り上げる。

「大丈夫、僕もすぐに行くから……」

藍は固く目を閉じ、もうダメなのかと絶望の海に落ちていく。今までは自分が遺体を解剖してきた。しかし、今度は自分が解剖される番になるのだ。

そう覚悟したその時、バンと大きな音が遠くから聞こえた。藍は目を開け、睦月圭はドアの方に近づく。

その刹那、拳銃を手にした如月刑事と原刑事が飛び込んできた。藍は驚き、目の前の光景が夢じゃないのかと思った。

「藍！！睦月圭、誘拐、監禁、三人の殺害容疑で逮捕する！」

睦月圭は，如月刑事と原刑事が部屋に入ってきた時点でナイフを地面でに捨てて手を挙げていた。その手に手錠がかけられ、原刑事が連行していく。

「藍！大丈夫か！？怪我はしていないのか？」

藍の手錠と枷を外し、如月刑事が藍の体を見る。藍の体はさらに震えた。