死者の言葉〜最期のメッセージ〜
藍がそう言うと、睦月圭は小さな子どものように泣きじゃくり始める。

「藍……」

泣きじゃくる睦月圭を見つめる藍の腕に如月刑事が触れ、藍を連れて行く。藍の耳には、睦月圭の泣き声が響いた。



如月刑事の車に揺られ、藍は研究所にやって来た。

「あとで事情を聞かせてもらってもいいか?」

廊下を歩く藍に如月刑事が訊ねる。藍はコクリと頷いた。

「みなさん、ご迷惑をおかけして申し訳ありません」

藍は研究所のドアを開け、大河たちに頭を下げる。その刹那、「藍〜!!」と泣きながら朝子が抱きついてきた。

「よかった〜!!」

朝子が泣き、藍の瞳をゆっくりと潤み出す。また藍は泣き出してしまった。

「霧島さん、無事でよかったです」

「本当によかった」

正人と聖も安心したように笑いかける。そして、その奥から大河が姿を見せた。

「大河くん、心配させてしまってごめんなさい」

藍が謝ると、大河は「よかった……」と涙をこぼしながら抱きついてきた。
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