恋はポテトと一緒に落ちてくる
「そりゃ、姪だもん、似てるよ。
ごめん。翔くん、一人で勘違いして、一人で
納得してくから、口を挟めなくて…
私、子供も旦那さんもいないよ?」

ってことは…

「柚子、独身?」

「うん。」

はぁぁぁぁ……

俺は、盛大にため息を吐いた。

「俺、ついさっきまで、まなちゃんの父親に
なる決意してたんだけど… 」

脱力する俺の隣で柚子はくすくすと笑う。

「だって、翔くん、私の話、全然聞こうと
しないから。
ちょっとは私の話も聞いてくれれば
いいのに。」

そう言って笑う柚子はかわいくて…

「じゃあ、分かった。
何の障害もないってことだよな?
柚子、俺と付き合って。
俺、今、東京に住んでるけど、柚子のために
毎週、帰ってくるから。
遠距離でも寂しい思いさせないから。」

俺は、真剣に柚子に訴えた。

「え、翔くん、東京にいるの?」

柚子がまた驚いた顔をする。

「うん。でも、心配いらない。
俺、柚子のためなら、何でもする。
だから… 」

そう言う俺に、小さな手が綿菓子を差し出した。

「はい! どうぞ。」

か、かわいい…

「ありがとう。」

俺は小さな手から綿菓子を受け取る。

「どういたまちて。」

舌ったらずなその言い方がまたかわいい。

俺は、綿菓子を口に入れてから、また柚子に向き合う。
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