いきなり婚─目覚めたら人の妻?!─
「運が悪かったね……。そういうことならしかたがないよ。私のことは気にしなくていいから、今日はゆっくり休んで」

『ホントにごめん……。私たちが真央に無理言ったのにこんなことになって……。コンテストは棄権してくれてもかまわないから……』

彩名はまだ体がつらいはずなのに、私を気遣って申し訳なさそうにそう言った。

料理はそれほど得意ではないけれど、大好きな俳優に会いたいと言って二人ともあんなに張り切っていたのに、不戦敗ではあまりにもいたたまれない。

1チーム3人までだから私が一人で出ても問題はないはずだし、二人のためにできるだけのことはしたいと思う。

「いや、私一人でも出るよ。せっかく彩名と果歩が頑張ったのに、もったいないもん」

『でも……いくら真央でも、一人だと大変でしょ?』

「大丈夫だって。優勝するって保証はできないけど、私は彩名と果歩の分まで頑張るから、二人はちゃんと休んで早く良くなってね」

『うん……ありがとう、真央』


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