キミに伝えたい愛がある。
私は1人で見慣れた道を歩いていた。


空くんは塾があるらしく、途中で分かれた。


この道を歩いていると思い出すのは、あの人しかいない。


今頃2人は一緒にいるのかな。


そう思うと胸が苦しくなる私がいる。


仲間外れにされたみたいに感じてしまっているのかもしれない。


そんなの考えたって仕方がないのに、私は何度も思い返しては自分を悔やんでいる。


はあ...。


どうしたら忘れられるんだろう。


と、思ったその時だった。



「ちー!」



...りっくんだ。


私は勢い良く振り返った。



―――あっ...。



声にはならなかった。



「めぐ...」



りっくんが目を丸くしてめぐちゃんを見つめていた。


私は駆け出した。


見てはいけないものを見てしまった気がした。


次第に息が上がっていき、知らぬ間に涙が溢れていた。


どうしてこんな気持ちになるの?


ダメだよ。


ダメだよ。


無理なんだよ。


終わったんだよ。


なのに、


それなのにどうして?


どうして...。



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