キミに伝えたい愛がある。
祖母は先にお風呂に入ったらしい。


今晩のおかずがテーブルに並べられていた。


祖母に気付かれないよう、部屋に戻り部屋着に着替えた。


もやもやして不明瞭な私の気持ちを言葉に表すのは難しい。


この気持ちをなんとか蒸発させて見えなくしたい。


この気持ちは分からないままでいい。


ただ、消えて無くなればいい。



「あらあ、ちゆりちゃん、帰ってたの?」


「おばあちゃんただいま!ご飯まだでしょ?準備するね」



気を紛らわすようにいつもより大声で言ってみた。


祖母はおそらく急いで台所に行くだろうから、私は先回りして準備するんだ。


辛くて苦しくてどうしようもない夜はやけ食いに限る。


祖母の料理を食べて元気になろう。


忘れよう、何もかも。


無かったことにしよう、全て。


古びた窓から吹き込む秋の夜風が静かに私の心を撫でた。


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