キミに伝えたい愛がある。
「そっか。そうだったんだ。それなら、言ってくれれば良かったのに。ごめんね。ちーちゃんの気持ち知ろうとしなくて。本当にごめん」



私は驚いて危うく後ろにひっくり返りそうになった。


空くんがそんなこと言うと思わなかった。



「私こそごめんね。本当はもっと早く言うべきだったのに...」


「まあまあ、そんなにしんみりしないで。さあ、食べな食べな!食べないと気分も上がらないわ!ほれ、食べたべ!」



祖母に言われて慌ててご飯を掻き込んだ。


私は空くんを恐れすぎていたのかもしれない。


思い出せば、空くんは最初から正義感に溢れていて優しかった。


そんな人が私を受け入れてくれないはずなんてないんだ。


私が間違っていたんだ。



「良いたべっぷりだね。さてと、私の話でもしようかね...」



祖母のお陰で私たちはぎこちなくなることもなく、自然と時間を過ごせた。


何事も起こらなくて良かった。


なんて思えたのも束の間だった。


< 117 / 168 >

この作品をシェア

pagetop