キミに伝えたい愛がある。
意外にも空くんとは普通に過ごせた。


空くんが気を遣って関係ない話をいっぱいしてくれたお陰かもしれない。


それに大会曲の練習で大分忘れられたし。


そして、あれから24時間が経過し、いつもの帰り道。


今日は空くんは追ってこない。


電車を下りてから続く道のりが途方もなく長く感じる。


今日の夕飯は何かなぁ?


昨日はあんまり食べられなかったから、今日は食べられるといいなぁ...。


なんて、考えられる訳が無い。


ユーフォニアムの音色と空くんの声が復活してきた。


返事はどうすれば良いかな?


もちろん返事は早い方が良いはず。


イエスって言ったら付き合うことになるし、ノーと言えば空くんを傷つけてしまう。


私は...どうしたいんだろう?


いくら考えても答えは出ない。


とぼとぼと歩き続ける。


はぁ...。


溜め息をついたその時だった。


ププーーー。


クラクションが鳴って私は反射的に目を瞑った。



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