キミに伝えたい愛がある。
私...死んじゃった?


いや、でも、意識があるってことは生きてるってことだよね?


良かった...。


まだ死んでなかった...。



「ったくどこ見てあるいてんだよ!ちっ!」



窓を開けてわざわざ舌打ちしてきやがった。


あなたが前方不注意だったんじゃないですか!と言いたくなるのをぐっと堪えた。


というより...


制御されていた。


私の体は拘束されてるみたいなんだけど...。



「ちー...大丈夫か?」



この声は...りっくん?!


えっと...その...どうして?



「ったく、ちーは目を離すといっつもこーなんだから」



りっくんが私の体を起こしながらこちらを向いた。


そして優しく頭を撫でてくれる。



「大丈夫?怪我は?...って聞かなくてもいいか」



りっくんが私の顔を覗き込む。



「おでこに擦り傷発見」


「あっ...」



私はりっくんの額を指差した。



「りっくんも」


「は?そんな訳......あった」



2人して額を擦りむくなんて一体何歳児ですかと聞きたくなる。


そのくらい幼稚な自分たちに笑いさえも込み上げる。



「あはははは...」


「何笑ってんだよ!信じらんねえ。さっきまで死にかけてたっつうのに」



とか文句を言いつつも笑いを堪えきれるはずもないりっくんは案の定つられて笑い出した。


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