キミに伝えたい愛がある。
ひとしきり満喫した後、私たちは敷地内のカフェに立ち寄り、女子トークに花を咲かせた。


部活のことから始まり、話題は自然にあの話に。



「でさ、ちーちゃんはOKしたの?」



相談していたというのに、私ときたら問題が解決した途端どうでも良くなってめぐちゃんには話さずじまいだった。


ここはきちんと報告せねば。



「うん。OKしました」


「えっ!うそ!マジで?!」


「本当」


「ちーちゃんやったじゃん!イエーイ!」



めぐちゃんとハイタッチをし、喜びを分かち合う。


ただちょっとめぐちゃんの力が強くて手のひらが痺れた。



「ってことはさ、9月以降、ちーちゃんはリア充になるってこと?うっわあ、すご~い!確定した未来に青木空!なんかめっちゃ萌える!」


「そ、そうかな...」



デレデレしている自分にもびっくりしたけど、それより恥ずかしさの方が勝った。


私は素早く話題を変えた。



「わ...私のことはいいから、めぐちゃんはどうなの?好きな人とか...いないの?」


「やっだー、もう!ちーちゃん、それ本気で言ってる?」


「うん、まあ」


「まだ分かんないの?!ちーちゃん、マジで鈍感!いい加減気付きなよ!」



ほえ?


ってことは、まさか私のよく知っている人?


吹部男子は残り5名。


そのうち3年が2人、2年が1人で、1年が2人。


もしや...後輩に恋しちゃったとか?



「ちーちゃん、誰を想像してるか分かんないけどさ、とりあえず言うよ。耳貸して」


「うん」



私は髪の毛を耳にかけた。


めぐちゃんの息が近付く。



「ウチが好きなのは......速水陸」


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