キミに伝えたい愛がある。
「えっ...?えっ、あっ...うそ!そ、そそ、そうなんだ!ぜんっぜん知らなかった」


「マジで?!見当つくでしょ、フツー」



私は首をブンブン振る。



「だってめぐちゃん、中1で初めて付き合った人はサッカー部の山之内くんで、中2から卒業まで付き合ったのはバスケ部の前田くんで、高1から2年間付き合ったのは、三上先輩だったでしょ?なんで今さら...」



めぐちゃんは頬を赤らめてうつむいた。


その様子は、いつもの強気で明るい美少女とはかけ離れていて淡い恋心をひた隠しにする健気な少女のようだった。



「ずっと頭の片隅にはあったんだよ、陸のことが。でも陸さ、モテるじゃん。チャンスが無かったし、ウチじゃムリかなみたいに思ってたから、告白出来なかった。仕方なくカッコいいな、付き合いたいなって思う人にはコクって付き合ってもらってた」



そう...だったんだ。


1番近くにいながら全く知らなかった。


ある意味すごすぎる鈍感っぷりだ。



「でもやっぱ、陸の代わりはいないって思った。ウチには陸が必要なんだよ」



めぐちゃん...。


真っ直ぐなその想いに私は感動して泣いてしまった。



「ちーちゃん、なんで泣くの?意味不明なんだけど...」


「めぐちゃんの熱い想いに胸を討たれて...」


「ったくもう、泣くようなことじゃないでしょうが」



それもそうだけど...。


でも嬉し泣きなら良いと思う。



「めぐちゃん...。私、全力で応援するね」


「ありがとう。ウチもちーちゃんに負けないように全力で頑張る」



幼なじみ同士の恋という王道の恋愛の行く末を私は見守ろう。


そう、決心したのだった。


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