キミに伝えたい愛がある。
「愛宮さん!次、読んでくださる?」






へ?


一体何のこと?



「ぼーっとしてないで集中してくださいね!近藤さん、教えてあげて」



隣の女子生徒に教えられて我に返る。


私ったら、なんてことを...。


ストップと言われるまで読み続けて腰を下ろす。


やっと生き返った気がした。


ちらりと左に視線を移すと、りっくんとばっちり目が合った。


クスクス笑いながらこちらを見ている。


人の失敗を笑うなんて失礼な人だ。


昔からこんな感じで、人を小バカにする上に自己中な人だから、私は幼なじみと言っても苦手だった。


だから、同じクラスだろうが、一定の距離を取って生きてきたのだ。


りっくんと私は正反対。


言うならば、めぐちゃんとも正反対。


みんなの輪の中心にいてキラキラ輝いているダイヤモンドみたいな2人に対して私はただの石ころだ。


川原になん万個も落ちている石ころのように、その他大勢の中の1つでしかない。


人見知りで、


根暗で、


ネガティブで、


インドアで、


可愛くないし、


美人でもないし、


とにかくチビ。


良いところなんて見つからないよ。


うわーん!


泣きたいくらい、私しょうもないヤツじゃん。


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