キミに伝えたい愛がある。
「エントリーナンバー3番。桃宮高等学校。福島弘和作曲、桜花幻想」



木管楽器の緩やかなパートから始まった。


桜の花びらがはらはらと舞落ちる情景が思い浮かぶ。


やがて金管楽器も加わり、重厚感が増す。


中盤に入ると、春風が吹いて花びらが一気に舞い上がるかのようにスピーディーに音楽が進む。


この辺りでホルンファーストの高音が全面に出てきて木管楽器の柔らかさの中に精鋭さを加える。


それによって桜の華やかさ、優しい色合いとは対照的な生命力や力強さを表現しているのだと私は解釈している。


そしてまたゆっくりになり、ラストは勢いよくフィニッシュ。


作曲した福島弘和さんは、桜の花を愛でる日本人の心の移ろいを表現したかったらしい。


その心が上手く表現されたこの曲に、自分の複雑な感情を乗せて演奏した。


今まで色々なことがあったけど、こうして演奏出来て本当に良かった。


私の人生に桜のような華やかさがプラスされた。


心からそう思った。

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