キミに伝えたい愛がある。
午後も必死に勉強した。


基礎さえもまともに出来ていなかったから、基礎固めを重点的に行い、基礎力向上を図る。


気がつけば午後4時。


4時半には家に戻って支度をしたいから、フレンチを見るとすれば今しかない。


私はノートとテキストをまとめ、リュックに詰め込むとフレンチ料理の場所に移動しようとした。


しかし―――


私の足は動かなくなった。


...りっくん。


...めぐちゃん。



「小論文こんな感じでいいかな?」


「ああ、良いと思う。要点まとまってるし、主張もあるからばっちりだ」


「良かったぁ。じゃ、これで小論文は終わりだ!ってことで明日から面接練習よろしくね」



私のいないところで、2人の時間は進んでいた。



「面接練習?それなら、ちーにやってもらえばいいじゃん」


「ちーちゃんあんな感じだから当てになんないし、ウチよりバカじゃん。だから、陸頼みます。ウチに力を...」


「バカって...。ちーに失礼だろ」


「だってほんとのことじゃん。それはいいから、お願い!」


「散々力貸しただろ」


「いや、あと少しよろしくです」


「...ったく、しょうがないな。昔からめぐは媚びるの上手いよな」


「媚びるって、それ酷くない?媚びてなんかないし」



酷いのは...


酷いのは...


酷いのは、めぐちゃん。


あなただよ。


私の心にパリッとヒビが入るのが分かった。


フレンチなんてどうでも良くなって私は図書館を飛び出した。



―――当てになんないよ。


―――ウチよりバカじゃん。



そんなこと思っていたなんて。


じゃあ、私と3年間同じ部活だったのも、


一緒に帰ってたのも、


ゴールデンウィークに一緒に遊園地に行ったのも全部...


全部偽りの笑顔だったの?


私、


私、


めぐちゃんを信じられなくなった。


このまま友情は消えて無くなっちゃうの...?


当てにならないし、


バカだし、


チビだし、


可愛くない。


そんな私は、これから誰の光に照らされて咲けばいいの。




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