副社長の歪んだ求愛 〜契約婚約者の役、返上させてください〜
「美鈴ちゃん、今日までどこに行ってたの?自宅にも実家にもいなかったから、連絡がつくまで心配してたんだよ」
「すみません。岐阜の方に行ってました」
「知り合いでもいるの?」
「いいえ。昔、家族みんなで旅行に行ったのを思い出して」
「そうか。ゆっくりできた?」
「はい」
そこまで話すと、篠原さんが少しだけ姿勢を正して、私を正面から見据えた。
「美鈴ちゃん。仕事を辞めたい理由だけど、東山さんとの結婚じゃないみたいだね」
「…………はい」
「電話でも話したけど、俺はずっと頑張ってきた美鈴ちゃんを見てたから、どうしてももったいないと思ってしまうんだ。
いったい、何があったんだ?話が急すぎるだろ」
俯いて黙り込む私を、篠原さんは口を挟まずに待ち続けてくれた。
「すみません。岐阜の方に行ってました」
「知り合いでもいるの?」
「いいえ。昔、家族みんなで旅行に行ったのを思い出して」
「そうか。ゆっくりできた?」
「はい」
そこまで話すと、篠原さんが少しだけ姿勢を正して、私を正面から見据えた。
「美鈴ちゃん。仕事を辞めたい理由だけど、東山さんとの結婚じゃないみたいだね」
「…………はい」
「電話でも話したけど、俺はずっと頑張ってきた美鈴ちゃんを見てたから、どうしてももったいないと思ってしまうんだ。
いったい、何があったんだ?話が急すぎるだろ」
俯いて黙り込む私を、篠原さんは口を挟まずに待ち続けてくれた。