副社長の歪んだ求愛 〜契約婚約者の役、返上させてください〜
「その時、東山さんは私に、婚約者のふりをして欲しいと頼んできました」
「えっ?ふり……」
「そうです。東山さんは今、大きなプロジェクトに取り組んでいるそうなんですが、忙しい中、周りの人からお見合いを勧められることを、煩わしく感じていたそうです。
そこで、自分に結婚を前提とした恋人がいれば静かになるだろうと考えて、にせの婚約者役を、私にやって欲しいと頼んできました。
その代わりに、私にいずれ、実家の方で仕事を紹介するっていうメリットを提示され、了承しました」
「東山さんが……なんだってそんなことを……」
「本物の婚約者に見えるようにって、週末を一緒にすごしました。東山さんにちかい人達に、私達が一緒にいるところを目撃されるのが目的です。指輪も、その小道具の一つです」
お水を一口飲んだ。
篠原さんは、信じられないという顔をして聞いていた。
「早くとも、3ヶ月で終わる契約でした。私も納得しての関係です。ただ……先日、パーティーに出たあの日、この契約の本当の目的を知ってしまったんです」
「本当の目的?」
「えっ?ふり……」
「そうです。東山さんは今、大きなプロジェクトに取り組んでいるそうなんですが、忙しい中、周りの人からお見合いを勧められることを、煩わしく感じていたそうです。
そこで、自分に結婚を前提とした恋人がいれば静かになるだろうと考えて、にせの婚約者役を、私にやって欲しいと頼んできました。
その代わりに、私にいずれ、実家の方で仕事を紹介するっていうメリットを提示され、了承しました」
「東山さんが……なんだってそんなことを……」
「本物の婚約者に見えるようにって、週末を一緒にすごしました。東山さんにちかい人達に、私達が一緒にいるところを目撃されるのが目的です。指輪も、その小道具の一つです」
お水を一口飲んだ。
篠原さんは、信じられないという顔をして聞いていた。
「早くとも、3ヶ月で終わる契約でした。私も納得しての関係です。ただ……先日、パーティーに出たあの日、この契約の本当の目的を知ってしまったんです」
「本当の目的?」