副社長の歪んだ求愛 〜契約婚約者の役、返上させてください〜
「東山さん、あなたに頼まれて美鈴ちゃんを呼び出しましたが、話を聞いて、このままにするわけにはいきませんよ。大切な社員が、こんな目にあっているのを、見すごすわけにはいきません」
真っ直ぐに目を見据えて話す篠原さんに、東山さんも居住まいを正して向かい合った。
「美鈴、篠原さん。まずは、話を聞いて欲しい。
真っ先に訂正しておくことは、僕は、立花と付き合ったこともなければ、結婚する予定もない。もちろん、そういう対象として見たことは、一度もない」
「えっ……」
「立花が話したっていう内容は、僕には身に覚えのない話だ。どこからわいた話なのか……まあ、この場合、立花なんだろうな。
美鈴、嫌な思いをさせてしまって、すまなかった。
篠原さんにも、ご迷惑をおかけしました。すみません」
私たちに謝罪を述べると、深々と頭を下げた。
「東山さん……?」
頭の中が混乱する。
「東山さん、あなたは美鈴ちゃんを、精神的にも身体的にも傷つけるつもりはない、ということで、間違いないですね?」
「当然です。そんなつもりは、一切ないです。
でも……実際は、仕事を辞めて姿を消そうとしてしまうぐらい、傷つけてしまったんですね」
切なげな表情をする東山さんを見て、篠原さんは私に向き直った。
真っ直ぐに目を見据えて話す篠原さんに、東山さんも居住まいを正して向かい合った。
「美鈴、篠原さん。まずは、話を聞いて欲しい。
真っ先に訂正しておくことは、僕は、立花と付き合ったこともなければ、結婚する予定もない。もちろん、そういう対象として見たことは、一度もない」
「えっ……」
「立花が話したっていう内容は、僕には身に覚えのない話だ。どこからわいた話なのか……まあ、この場合、立花なんだろうな。
美鈴、嫌な思いをさせてしまって、すまなかった。
篠原さんにも、ご迷惑をおかけしました。すみません」
私たちに謝罪を述べると、深々と頭を下げた。
「東山さん……?」
頭の中が混乱する。
「東山さん、あなたは美鈴ちゃんを、精神的にも身体的にも傷つけるつもりはない、ということで、間違いないですね?」
「当然です。そんなつもりは、一切ないです。
でも……実際は、仕事を辞めて姿を消そうとしてしまうぐらい、傷つけてしまったんですね」
切なげな表情をする東山さんを見て、篠原さんは私に向き直った。