副社長の歪んだ求愛 〜契約婚約者の役、返上させてください〜
東山さんが、これまでに見たことのない、情けなさそうな表情になった。
「篠原さんからも、美鈴自身からも、いずれ実家のある静岡に帰るつもりだって聞いていたでしょ?だから、もし気持ちを伝えても、応えてもらえないってわかっていた。
それに……君と僕は、12歳も離れているんだ。美鈴の幼少期を見ているだけに、想いを告げても気持ち悪がられるんじゃないかって、怖かった」
「そんなこと、ありません」
思わず、大きな声を発していた。
「ありがとう。
契約の話をして、本物の恋人のようにすごしていく中で、美鈴に拒否されることなく受け入れられたことが、最初は嬉しかった。
それなのに、これは契約なんだって思い知らされるたびに、苦しかった。
どうして最初から、自分の想いを伝えなかったのかって、後悔ばかりが大きくなっていった」
そこで言葉を切ると、東山さんは真剣な眼差しで、私を見つめた。
「篠原さんからも、美鈴自身からも、いずれ実家のある静岡に帰るつもりだって聞いていたでしょ?だから、もし気持ちを伝えても、応えてもらえないってわかっていた。
それに……君と僕は、12歳も離れているんだ。美鈴の幼少期を見ているだけに、想いを告げても気持ち悪がられるんじゃないかって、怖かった」
「そんなこと、ありません」
思わず、大きな声を発していた。
「ありがとう。
契約の話をして、本物の恋人のようにすごしていく中で、美鈴に拒否されることなく受け入れられたことが、最初は嬉しかった。
それなのに、これは契約なんだって思い知らされるたびに、苦しかった。
どうして最初から、自分の想いを伝えなかったのかって、後悔ばかりが大きくなっていった」
そこで言葉を切ると、東山さんは真剣な眼差しで、私を見つめた。