副社長の歪んだ求愛 〜契約婚約者の役、返上させてください〜
プラスoneの本社に到着した。
仕事では数回来たけれど、今日はプライベートで、しかも啓太さんのご両親に会いに来たと思うと、すごく緊張する。
足がすくむ私に気づいて、
「美鈴、大丈夫だから」
と、温かい大きな手で、私の手をぎゅっと握ってくれた。
それだけで、不安な気持ちが薄らいでいく。
「行こうか」
「はい」
訪れたのは、社長室。
ここに、啓太さんのご両親が待っている。
コンコン
「はい」
「父さん、佐山さんを連れてきました」
「どうぞ」
恐る恐る、社長室に足を踏み入れる。
「佐山さん、よく来てくれたね。どうぞ座ってください」
穏やかな笑顔を浮かべたお父様に促されて、啓太さんと並んでソファーに座った。
「父さん、母さん、こちらが今お付き合いしている、佐山美鈴さんです」
「は、はじめまして。佐山美鈴と申します」
「美鈴、僕の父と母だよ」
「はじめまして。啓太の父親の、東山伸一です。そして、妻の響子です。
美鈴さん、先日はうちの立花が迷惑をおかけしたと聞きました。すみませんでした」
お父様に頭を下げられて、慌ててしまう。
「い、いえ。大丈夫ですから、お顔を上げてください」
「啓太が不甲斐ないはがりに……」
お母様がジロリと啓太さんを睨む。
そのやりとりは、少しハラハラしたものの、親子の信頼関係を感じさせる雰囲気だった。
仕事では数回来たけれど、今日はプライベートで、しかも啓太さんのご両親に会いに来たと思うと、すごく緊張する。
足がすくむ私に気づいて、
「美鈴、大丈夫だから」
と、温かい大きな手で、私の手をぎゅっと握ってくれた。
それだけで、不安な気持ちが薄らいでいく。
「行こうか」
「はい」
訪れたのは、社長室。
ここに、啓太さんのご両親が待っている。
コンコン
「はい」
「父さん、佐山さんを連れてきました」
「どうぞ」
恐る恐る、社長室に足を踏み入れる。
「佐山さん、よく来てくれたね。どうぞ座ってください」
穏やかな笑顔を浮かべたお父様に促されて、啓太さんと並んでソファーに座った。
「父さん、母さん、こちらが今お付き合いしている、佐山美鈴さんです」
「は、はじめまして。佐山美鈴と申します」
「美鈴、僕の父と母だよ」
「はじめまして。啓太の父親の、東山伸一です。そして、妻の響子です。
美鈴さん、先日はうちの立花が迷惑をおかけしたと聞きました。すみませんでした」
お父様に頭を下げられて、慌ててしまう。
「い、いえ。大丈夫ですから、お顔を上げてください」
「啓太が不甲斐ないはがりに……」
お母様がジロリと啓太さんを睨む。
そのやりとりは、少しハラハラしたものの、親子の信頼関係を感じさせる雰囲気だった。