副社長の歪んだ求愛 〜契約婚約者の役、返上させてください〜
社長室を後にすると、そのまま帰るものだと思っていたら、副社長室へ促された。
「立花が、直接謝りたいって言ってるんだ。聞いてやってくれるか?」
「はい」
私の返事を聞いて、啓太さんが内線をかけた。
少しすると、控えめなノックをして、立花さんが入ってきた。
事前に、二人っきりにして欲しいとお願いしておいたから、啓太さんは席を外してくれた。
「佐山さん、私、私……ひどいことをしてしまい、本当に申し訳ありませんでした」
今にも泣き出しそうなのを堪えながら、立花さんは深々と頭を下げた。
「立花さん、顔を上げてください。もう、大丈夫ですから。あなたを恨んだりもしてませんし。
人を好きになったり、そのことで辛く思ったりするのは、私にもわかります。
だから、ね。このことは、これで終わりにしましょう」
「あ、ありがとうございます。そんな優しい言葉をかけてもらえる立場じゃないのに…………
はあ。私も、次の恋を見つけられるように、頑張りますね」
立花さんは、笑顔の下にほんの少しだけさみしさを滲ませながら、部屋を出ていった。
「立花が、直接謝りたいって言ってるんだ。聞いてやってくれるか?」
「はい」
私の返事を聞いて、啓太さんが内線をかけた。
少しすると、控えめなノックをして、立花さんが入ってきた。
事前に、二人っきりにして欲しいとお願いしておいたから、啓太さんは席を外してくれた。
「佐山さん、私、私……ひどいことをしてしまい、本当に申し訳ありませんでした」
今にも泣き出しそうなのを堪えながら、立花さんは深々と頭を下げた。
「立花さん、顔を上げてください。もう、大丈夫ですから。あなたを恨んだりもしてませんし。
人を好きになったり、そのことで辛く思ったりするのは、私にもわかります。
だから、ね。このことは、これで終わりにしましょう」
「あ、ありがとうございます。そんな優しい言葉をかけてもらえる立場じゃないのに…………
はあ。私も、次の恋を見つけられるように、頑張りますね」
立花さんは、笑顔の下にほんの少しだけさみしさを滲ませながら、部屋を出ていった。