副社長の歪んだ求愛 〜契約婚約者の役、返上させてください〜
「お母さん。認めてくれるのはもちろん嬉しいけど、私、啓太さんと結婚したら、東京で暮らすことになるの。こっちに帰ってくるって、ずっと言ってたのに」

「あら。お母さんだって、自分の幸せを手放しちゃだめだって、いつも言ってるじゃない。美鈴が幸せになれるのなら、そんなのどこでだっていいのよ。
美鈴が私のことを考えてくれるのは、すごく嬉しいのよ。でも、結婚って親のためにするものじゃないでしょ?だからね、美鈴は美鈴の居るべき場所で、幸せになればいいのよ」

「お母さん…………ありがとう」

母は、私が幸せになることを、心の底から喜んでくれた。

「僕の両親も、美鈴さんとの結婚に賛成してくれています。改めて顔合わせの場を設けてから、入籍するつもりですが、いいですか?」

「もちろんよ」

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