三月はいなくなる子が多いから
「……」
クラスメイトたちの視線が痛かった。
私は園田さんと机をはさんだ目の前に立っている。
園田さんは私を見ていた。
その青い視線はクラスメイトのとは明らかに異なる。
あたしに遊び半分で近づくな
彼女が口に出さずとも、
その意図は容易に受け取れた。
目は口ほどにものを言う。
今朝から考えていた園田さんと友達になるための
あれやこれやはまるで口に出せなかった。
園田さんも何も言わなかった。
大きくて青い瞳は、暗く輝いているだけだ。
クラスメイトは、、、
もう気にならなかった。
「……何だってんだよ…」
園田さんが呆れたように呟いた。
ため息をついた彼女は
面倒臭そうに席を立った。
乱暴そうに私の手をとり
教室から私を連れ出した。
私は何も言えず、
そして園田さんも何も言わなかった。
教室を出て、廊下を昇降口に向かっている途中
ようやく気づいた。
私は泣いていたようだ。