三月はいなくなる子が多いから
「違います!
友達ってそういうことじゃなくて、
お互いに助け合えて、、
それは打算とか関係なくて……」

「そりゃあ、頼もしいね」

さっきまでの楽しそうにしていた時とはまるで違う、
真剣な口調で園田さんは返してきた。


私服なので断定はできないけれど、
多分10代後半、私たちと同じくらいの年齢の男の子たち
7、8人が校門でたむろしていた。

ひと目見て、不良とわかる雰囲気をもっていた。
全員が全員、不快で不吉さを感じさせる下品な冷笑を浮かべていた。

私は直感的に、
彼らが数と腕力でカラダもココロも蹂躙したがっているのがわかった。
園田さんを蹂躙したがっていることを。


たむろしている不良たちの中でも、
体格が一番大きい男が私と園田さんに近づいてきた。
ロンTの首元から、隠れきれないタトゥーが見えていた。
園田さんと比べてもだいぶ高い身長は
190センチ以上はあるだろう。

そのイカつい男はニヤつきながら
「お前が、園田、園田マリエル 、だよな?」

私には目もくれず、
園田さんを見下ろしながら言った。
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