探偵I(タンテイアイ)【第1巻】
電話口から聞こえてきたのは、小学五年生位のあどけない男の子の声だった。
「もしもし、探偵Iさんですか……」
「はい、そうです。私が探偵Iです。まず、お名前をお聞きしてもよろしいでしょうか?」
「僕は、田中 健児 (たなか けんじ)です」
「田中 健児様。では、続いてご質問を一つしてもよろしいでしょうか?」
「はい」
「この探偵事務所を、どうやって知りましたか?」
「家にある、パソコンです……」
「ありがとうございます。では、御依頼の内容は──?」
「親友。……友達。友達に、困っています」
「お友達──、」