探偵I(タンテイアイ)【第1巻】


「そいつに、嫌な言葉をずっと前から毎日言われ続けています」




「そうですかー、それはお辛いですよね」



「……はい」



「じゃあ、今、学校には行ってるんですね」





「はい。本当は行きたくないけど……」





「なるほど、わかりました」




探偵Iが瞑想をするかのように静かに両目を瞑った。




「じゃあ、まず目をつぶってください。そして、あなたを困らせるお友達の顔と、そのお友達があなたに言ってくる嫌な言葉を頭に思い浮かべてください」




受話器を強く握ったまま、言われた通りに目を瞑る健児。





しばらくして、探偵Iがバシッと目を大きく見開いた。




「ありがとうございます。よく、わかりました」


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