白い便箋を太陽に翳してみれば・・

それからデートの日になった。
久しぶりに流星に会えるから、服もメイクも少し気合が入ってしまった。
「花恵ー!流星くんが来たわよー!」
下から、お母さんの呼ぶ声が聞こえる。
「今行くー!」
あたしは急いで流星の待つ玄関に行った。
「よっ!花恵、久しぶり」
「久しぶり!」

3週間ぶりの流星は、やっぱり少しだけやつれている気がした。
「流星ちょっと痩せた?」
「んなわけねーじゃん!いつもと変わんねーよ」
そう言った流星は、あたしに満面の笑みを見せた。

だけど、なんでだろう・・。
流星が笑って「なんでもない」って言っているのに、この時のあたしは少しだけ不安を覚えた。
「そっか!でももし何か困ってることがあるなら相談してね」
「ありがとな」
そう言って、流星はあたしの頭を優しく撫でた。
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