白い便箋を太陽に翳してみれば・・
「ってか流星、デートどこ行くのー?」
「ん、内緒」
「えぇー。教えてくれたっていいじゃーん!」
「まぁ着いてくれば分かるって」
「めっちゃ気になるー」
「我慢しろー」

そう言ってあたし達は歩き出した。
歩いている途中、自然と繋がれた手。
そして、今も変わらず二人の右手の薬指に輝く物・・。
ずっとずっとこの幸せを大切にしたい・・そう思った。


流星に着いて来いと言われ、電車に乗って何駅かまたいで少し歩いて着いた場所・・。

それは、海だった。

今は春で、まだ肌寒いから海に来ている人はいなかった。
波の音が一定のリズムを刻んでいる。
久しぶりに来た海・・。
いつぶりだろうか。
そのくらい海には来ていなかったから、なんだか新鮮。

あたし達は、浜辺にそのまま座った。
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