白い便箋を太陽に翳してみれば・・
そう思ったけど、やっぱり流星の腕の中は温かくて居心地がよかった。
そして、自然と重なった唇。

海で交わしたキスは、浜辺で遊んだせいかちょっとだけ、しょっぱい味がした。
それからあたし達は、電車に乗って帰った。
案の定、水びたしだったあたし達は、結構人に見られて散々だったけど・・。
だけど、そんなことさえ流星とだから楽しいと思えた。

電車を降りた後、流星が家まで送ってくれた。
「今日はありがとう」
「すっげー楽しかった。家に入ったらすぐ体拭けよ!」
「分かってるー!また海行こーね!」

その言葉に流星は、にっこり笑ってあたしの頭を優しく撫でた。
それからあたしは、流星が見えなくなるまで見送った。


まさか、これが最後になるだなんて・・。
< 110 / 350 >

この作品をシェア

pagetop