白い便箋を太陽に翳してみれば・・
7 遠くなっていく距離
「・・な・に・・こ・れ・・」

あたしは、今ある目の前の現実に理解出来ずにいる。
それからあたしは、流星に何度も電話した。
だけど、決まって聞こえてくるのは機械音のお姉さんの声だけ・・。
どうして電話に出ないの・・?

何回目をこすってみても、何回ドアを開け直してみても・・
あたしの目の前には家具一つない部屋が広がっているだけで・・。
「流星・・?」
呼んでみても流星はいなくて・・。

もしかしたら引っ越したのかもしれない。
きっと突然のことだったから、あたしに言うの忘れてたんだ・・。
カズキなら知ってるはずだよね・・。

あたしは、それからすぐにカズキに電話をした。
数回のコールでカズキは電話に出た。
「あ、もしもし?どーしたー?」
カズキは相変わらず呑気に答えている。

「流星・・。流星の家どこなの?引っ越したんだよね?!あたし家知らないから教えて・・」

どうしてこんなに、あたしの体は震えているの?
< 113 / 350 >

この作品をシェア

pagetop