白い便箋を太陽に翳してみれば・・
泣いているその涙を今すぐ拭ってあげたくて・・。
震えている体を抱きしめてあげたくて・・。
でも、どうしてだろう。
流星に近づこうとすればするほど、流星がどんどん離れていく・・。

「待って・・流星!」
あたしが走り出そうとした時・・。

「・・い!おい・・!花恵!」
あたしは、カズキの声で目が覚めた。
「・・カズキ・・?」
「大丈夫か?!花恵が電話で流星がいめーって言うから、びっくりして駆けつけたらお前が倒れてたんだよ・・」

そっか・・。
あたし倒れたんだ・・。
「それより何があったんだよ・・。ここ流星の部屋だろ?なんで何もねーんだよ・・」
「分からない。何も分からないの・・。カズキなら何か知ってるって思ったから電話したの・・」
「俺何も聞いてねぇ・・。どういうことなんだよアイツ・・」
「電話しても出なくて・・。あたし・・どうすればいいか分かんないよ・・」
「アイツ何考えてんだよ・・。ふざけんな!!」

バン・・!!
カズキが扉のドアを蹴った。
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