白い便箋を太陽に翳してみれば・・
・・え?
どういうこと?

「車の中で流星の親父さん薬飲んでたんだ・・。それから警察が来て色々取り調べしていくうちに自殺って分かってさ・・。なのにアイツ・・泣きもしねーで母親に、これからは二人で頑張ろうって言ったんだよ。俺・・見てらんなくてさ・・。それから流星、母親とずっと一緒に暮らしてた・・。俺、ずっと側で流星のこと見てきたけど、アイツ一生懸命自分の母親のこと支えてたよ・・」
「そうだったんだね」

「だけど、夏休みに入ってアイツが中1の時、俺ん家に来てさ・・明日母さんと一緒に海に行くんだって言いにきたんだ。俺、楽しんで来いよって言って見送ったんだ。これでようやくアイツも少しは親父さんのこと忘れられるかもしんねーって思ってさ。けど、違ったんだ・・。アイツ夜遅くに一人で帰って来たんだよ。俺、意味分かんなくてさ、流星に聞いたんだ。お母さんは?って。そしたら流星、母さんがいなくなったって・・。きっと海で俺、捨てられたんだって言って・・。何も言えなくて俺、どうすればいいか分からなかった。まさか、こんなことが起こるなんて誰が想像出来っかよ・・。流星、あんなに楽しみにしてたのに・・」

カズキはもうすでに泣いていた。
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