白い便箋を太陽に翳してみれば・・
それは、あたし達が残した「絆の証」
本棚の一番端っこに行ってみる。
変わらず置いてあった本は、社会文学の本。

そこには、

「ほら、あったあった」

美香が指差した先。

「美香 花恵 親友!!」

前に来た時よりも、はるかに薄くなってしまっていたけど、変わらずに残っていた文字。
あれからもう3年の月日が経っていた・・。

ベンチも黒茶色にさびれて、本棚もだんだん変色してきてしまったけど、あたし達の想い出は、昔みたいに色褪せないで今もあの頃のようにキラキラしている。

「やっぱりここが一番落ち着くなぁ~」
美香が、優しく文字をなぞった。
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