白い便箋を太陽に翳してみれば・・
「・・りゅう・・せい・・」
あたしは、かろうじて言葉を発した。

もう、あたしの目からは大粒の涙が溢れてきていて・・。

流星は、一瞬驚いた表情を見せた後、苦しそうに顔を歪ませた。
だけど、すぐにあたしから視線をそらして、そのまま通り過ぎていく・・。

「流星!!」

あたしは、泣きながら叫んだ。
だけど、流星は一度も立ち止まることなく歩いて行ってしまった。
そのことに胸が苦しくて・・。

あたしは、流星を追いかけることはしなかった。
さっきの流星を見て、あたしは怖かった。

どうしてあたしを捨てたの?
あなたは今、東京にいるの?
色んな事が頭の中を駆け巡る。

それと同時に、今まで消し去っていたはずの想いが込み上げてくる。
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