白い便箋を太陽に翳してみれば・・
北澤・・?
それは、聞き覚えのある苗字だった。
あたしは、その人が誰なのか確かめたくて、すぐに声のした方を見る。

そして、あたしは痛いほど胸が苦しくなったんだ。

流星・・。

どうして、こんなところで働いているの・・?
泥だらけになって、汗いっぱい流して・・。
あたしは、自然と自分の頬に涙が伝った。

「おーい。君、大丈夫?」
一人の工事現場のおじさんが、あたしを心配して話しかけてきた。
「りゅ・・流星・・」
「流星?あ、北澤のことかー?おーい!北澤、お客さんだぞー!」

そしてあたしは、流星と目が合った。
一気に早くなる鼓動。

ねぇ、流星・・。
あたしね、やっぱりあの頃と全く変わってないよ・・。
あなたを想う気持ち。
こんなに沢山、あなたが好きで溢れている。
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