白い便箋を太陽に翳してみれば・・
流星は今、どんな気持ちで言葉を発していたのだろう・・。
俺には・・分からない・・。
でもきっと、毎日苦しかったはずだ。

それでも流星は、どんな時でも最後には必ず笑うんだ。
だけど俺は知ってる。
それは、アイツなりの精一杯の強がりだってことを・・。
きっと今まで、数えきれないほどの涙を流してきたんだよな・・。

「なぁ流星・・。花恵のことはどうすんだよ。流星が思っているよりも花恵は弱くなんかねぇーぞ?」
「今さら俺が会いに行ったって、花恵は許してくれるわけねーよ・・」
「でもお前は、まだ花恵のことが好きなんだろ?」
「・・好きだよ・・。でも、もういいんだ。あの日、交差点で花恵を見た時、俺を見て泣いたんだ・・。散々心配かけたんだなって・・改めて思った。こんな俺といるより、もっといい男見つけて幸せになったほうが花恵にとってもいいんだよ」

「でも、そんなんじゃお前・・一生後悔すんぞ」
「いいんだよ、俺のことは・・。花恵が幸せになってくれれば、それでいいんだ。このことは花恵には言わないでくれ。あ・・わりぃ。そろそろ仕事行かねーと・・」
「あ、おい流星・・」

そう言って流星は、仕事の準備をして立ち上がる。
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