白い便箋を太陽に翳してみれば・・
「じゃー俺行ってくるわ・・。鍵ここに置いておくから」
そう言って流星は、仕事に行ってしまった。

なんだよ・・アイツ・・。
強がりばっか言いやがって・・。

だけど俺は、流星と話している時、あるところに目が止まった。

それは、手・・。

アイツの右手の薬指に光る物・・。
今までちゃんと花恵のこと、ずっと想ってたんだな・・。

それから俺は、流星にバレないようにアイツの働く工事現場に行った。
アイツが今まで苦労して働いてきた場所・・。
全部は無理かもしんねーけど、アイツの頑張ってきたところ少しは俺なりに分かってあげたかった。

流星は、顔中泥まみれになって一生懸命働いていた。
重い物を運んで、歯を食いしばって、時には働いている仲間と一緒に笑い合ったり・・。
俺は、そんな流星の姿を見て胸が熱くなった。
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